高野和明『ジェノサイド』

ジェノサイド

ジェノサイド

 群像劇は小説にもっとも特化した物語形態だ。
 線は交わる。彼と彼女を結び、過去と現在をつなぎ、あるべき一点へと収斂する。あまりにもダイナミックな手法は、あまりにもマジェスティックな物語を得て、あまりにも面白い小説を生み出した。
 作者には脱帽する他ない。