2012-09-26 堀江敏幸『燃焼のための習作』 読書 燃焼のための習作作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/05/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (18件) を見る 途切れない会話の、続いていくエピソードの、重層的な連なりが、偶然に意味するところはあるだろう。何もかもが何もかもの端緒となるとき、すべての言葉は円環を成して、たしかな輪郭を備えた全体となる。 ぬるくまとわりつく湿気は、駘蕩の表れか、不穏の名残か。外で響く雷鳴に、つられてもっていかれるものはない。体があって、食事がある。すべては足りている。満ちるところまでは至らない。そこに、偶然のひらめきを待つ。