2012-09-27 伊坂幸太郎『PK』 読書 PK作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/03/08メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 143回この商品を含むブログ (70件) を見る 繋がっているという状態には、圧迫されるような恐怖と、理解されているという不思議な安心感が同居する。ひとの世はそうして包まれ、支配されている。個人の意思はその大きなシステムのなかで屹立するしかなく、同時にそうあることでしか意味がない。 登場人物たちは誰ひとりとしてその大きさを理解しない。視野からはみ出してはじめて全体をなす巨像に、彼らは気付けない。気付けないうちに呼吸し、行動し、なにごとかを創造し、生きていく。 皮肉はユーモアであり得るか。語り口ほど、物語はいつも、優しいものではない。