舞城王太郎『JORGE JOESTAR』

JORGE JOESTAR

JORGE JOESTAR

 補完するのではなく描き直す。広げるのではなく上から塗りつぶす。長大な物語の、何かのエラーで流れ出てしまった支流としては、こういう形での再生もあり得る。圧倒的に不自由でありながら、あくまでも自由であろうとする物語の意志が、紙面にある。
 それは明らかに異端でありながら、それでも烈しい光であることをやめない。目をすがめて、魅せられたとしても、別にいい。